「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」

子供たちを連れて夏休みに楽しむ都内の場所というと
人がいっぱいいて、デジタル音とドギツイ原色で
やりすぎぐらい彩られた場所を想い描いてしまうけど。

そういうところは、極力行きたくない派の私にとって
このダイアログ・イン・ザ・ダークのロビーは
すごく居心地のいい、ほっとする洗練された静かな空間でした。




天然の木でつくられたテーブルと、
職人さんの手作りと思われる個性的な天然木の椅子。

ウッディなものたちの横には、
綿のソファー。

そして、時間ごとに参加者が8名集まるだけなので、
いたって静かで平和。
子供が少し遊ぼうが、誰も何も気にせず、自由にさせてくれる。

ああ、最高だ。

というのは、まだ入る前の感想なんだけど、
真っ暗闇の体験というのは、
後になって思い返すほどに、すごかったな〜っと思う。

やっている最中は、もう視覚以外の感覚をフル回転させているので、
余計なことを思う暇はない。

そうしていると、普段はあまり意識していない
匂いや足の裏の感覚や、聴覚が
どんどんと鋭くなっていくのがわかる。

感覚器官のボリュームを
自分の内部であげていくような感じなので
なんだかくらくらしてしまった。

それにしても
本当の真っ暗闇。って初めての体験。

手とか動かしているのに
全く見えないと、体が消えてなくなった気分になるから不思議だ。

これは体験してもらうのが一番だと思う。

それからすごいな〜っと改めて思ったのが、子供たちの適応能力の高さだ。

うちの子供2人とお友達の計3人がいたのだけれど、
私がまだ、「うわっ」とか「どこ?」とか
ちびちび半歩づつ慎重に移動しているころ、
KIDSたちは先頭きって、真っ暗闇の公園で遊び始めていた。

KIDSたちの動きはすばやく、
スコスコと動くさまは、聴いていてびっくりだった。

全部で約90分。
暗闇での体験は、案外、ほっとしたものだった。

普段、刺激の強すぎる場所にいくと、
(人ごみやデパートなど)
いかに感覚をシャットアウトするかということをやっていた私だから

安心して感覚器官をオープンにしていられるのは
逆に楽だった。

それというのも、
小さな音や自然音、かすかな匂い、手や足にふれる感覚
そういったものを大切にしてあり、
激しく人工的なものを排除してある
いわば守られた空間だからだ。

それは、子供のころ、思いっきり遊んだ自然いっぱいの田舎の感じと同じだ。

きっと、肌や鼻や耳がその頃の感覚を思い出したんだろうな。
だから、居心地がいいんだろうな。

そして何より、すべてを「信頼」するしかない状況。
仲間を信頼する。
自分の感覚を信頼する。
世界を信頼する。

疑ってかかる、なんて余裕はなく、
そんなことしていたら、一歩も進めない。
そこにそのままじっとしているしかなくなってしまう。

それから、
「私、しゃがみます」
「動きます」
など
声を掛け合う。

そうしなければわからないんだから
そうなんだけど。

これってとても大切なことだと
やってみて思った。

自分はどうするのか。
はっきりと口に出して宣言する。

意志をもって行動をし、それを回りのみんなに伝えていく。
信頼をもって。
あれこれ先回りして考えたり、
人の表情から勝手に心情をよみとって
それに合わせようとしたり、
なんていう
いわゆる「空気を読む」的なことは一切必要ない。

そんな駆け引きをしている場合ではない。

こうする。こうしたい。
はっきり伝える。
ダメならまた考える。

ただそれだけのこと。

そうやって、作られた真っ暗闇の中で
視覚を使わないという経験をした。

*****

視覚障害者の方々が
都内を白い棒一本で歩くのは
訳が違うだろう。

クラクション、人の話声、携帯や人工的な音、
排気ガス、ファーストフードの換気扇からの変な匂い、
鉄やプラスチックの感触・・・

感覚が鋭くなっているが故に、
それらは、すごく強く感じられるのだろうな。

大変だ。

******

うす暗い部屋にもどって、
再び視力が起動しはじめたら、
また感覚器官のボリューム調整をするのに
しばらくクラクラしてしまった。

そしてまた、子供たちは
一瞬にしてぱっと適応し
なんでもないように遊び始めるのだから、たいしたもんだ。

私は後からいろんな感想が言葉になってでてくるが
それは大人だからなのかもしれない。

**********

小2の娘に聞いた。

私「あの真っ暗闇ってどうだった?」

娘「電気つけてほしかった」



わざわざお金払って、暗くしてもらってるんじゃ〜〜〜!
ただ電気が消えていた、と思っているだけの娘。

おわり。

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